詩と書評のサイト《千日詩路》は、2019年3月31日をもって、これまで作者の皆様から直接または間接的に無償にて提供していただいていた詩書の受け付けを停止します。これまで詩書を提供してくださった作者の皆様にこころから感謝します。ありがとうございました。
根本正午
《千日詩路》編集主幹
■ □ ■
以下、この件に関する補足を少し。
私たちは、2018年8月1日の立上宣言書にて、次のように書きました。
本サイトの運営にあたっては、編集部の経済的負担とくに書籍購入費を緩和するため、詩書や資料等の献本を随時受け付けます。
そしてこの方針に基づき、編集部にて購入した詩書と、作者の皆様から贈呈していただいた詩書を合わせて、これまで紹介を行ってきました。こうしたことは、詩の世界の慣習、詩人同士が詩書を献本というかたちで贈りあうことに倣った方針でもありました。
しかし私たちは、かれら詩人と詩の出版社に最大の敬意を払いつつも、書評の公正さという観点から、そうした慣習からあえて距離を置かなければならなかったのではないか、と考えるようになりました。この反省に基づき、今回、無償で提供される詩書の受付をひとまず停止する判断をするにいたりました。
これまで私たちは、私たちが価値あると考える詩書を、一般社会に向けてひろく紹介し、これらについての書評を月刊詩誌や書評専門誌といった入手しにくい紙媒体ではなく、いつでも、どこでも、もちろん国外の読者にとっても参照しやすい形式、つまり検索が可能なオンライン媒体で展開してゆくことをその使命として掲げ、昨年夏の立ち上げからこの春にかけて、百冊弱の詩書を紹介してきました。
私たちは、作者から無償で提供された詩書を紹介するのではなく、全世界に数億人いる日本語を解する読者たちと同じように、詩におのずから関心を持ち、詩をおもしろいと思い、詩を買うために対価を支払い、そうした対価を古書店を含めた小売業者や出版社に還元し、そうした余剰が結果的に遠いどこかにいる作者に届けられるよう企図することを、新たなる目標のひとつして掲げたいと考えます。
今後とも詩と書評のサイト《千日詩路》をよろしくお願い致します。
(2019年03月31日)