《千日詩路》について

《千日詩路》は、詩の書評を開かれたウェブにむけて提供します。

ウェブはだれにでも開かれているではないか、と読者は疑問に思うかもしれません。しかし、2018年、だれにでも開かれているはずのウェブの中にとらわれているわたしたちは分断されています。

ひとりひとりの生活があらゆる場所に曝されているのに、《あなた》に興味をもつ人間はいない。
ひとりひとりの関心があらゆる場所に露出しているのに、《あなた》にやさしくする人間はいない。
ひとりひとりの好悪があらゆる場所に氾濫しているのに、《あなた》を愛する人間はいない。

そう、思っている読者は多いのではないでしょうか。

だれもかれもがつながっているはずのウェブ、わたしたちはその大いなる分断のただ中にいて、それぞれの仮象の内壁に閉じこめられて、どうしようなくひとりぼっちなのです。

詩は、とくに現代詩は、わたしたち自身がつくったシステムによってもたらされた、そのような孤立と分断の時代にかたちを与えます。
それもきわめてしばしば、難解な、理解を拒むかのような様式をとります。
この奇怪なる現実をありのままに描こうとすれば、グロテスクで意味の壊れたことばを用いざるを得ないからです。

本サイト《千日詩路》は、このような詩または現代詩の作品を対象に、一個の紹介役として、それぞれの閉じられたウェブのあちら側へ、幅広く開かれたガイダンスを試みます。

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書評サイトとしては、一般的な文芸作品に親しみのある人や、インターネットのテキストを楽しむユーザーを対象読者として想定しています。
原則として、2010年1月1日以降に発行され、一般流通している詩書を取り扱います。また、とくに若手詩人や意欲的な新人に焦点を当て、応援します。

本サイトの運営にあたっては、編集部の経済的負担とくに書籍購入費を緩和するため、詩書や資料等の献本を随時受け付けます。その他お問い合わせについても、すべて下記のお問い合わせフォームよりお知らせください。折り返し連絡させていただきます。

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それぞれの読者には、一生忘れることのできない一冊やテキストがあると思います。

その出会いはたいていの場合偶然であり、得ようと思って得られるものではないはずですが、ごくまれに、運命としかいいようのない出会いが訪れたりもします。だから読書、またはそれに準じる行為をわたしたちは2018年にも求めているはずです。
孤立と分断の時代にあらがう方法は、読むことにしかありません。

しかし、いまだ見たことのないものをさがすことは、目的のない旅路であるほかありません。そうした旅を《あなた》とともにはじめます。

2018年8月1日
《千日詩路》編集主幹
根本正午

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